テレビ会議の印象として、遠隔地にいる相手と会話ができるというイメージから、テレビ電話みたいなものを想像する方は多いでしょうが、会議向けに設計されているという点で個人向けのテレビ電話とは異なります。テレビ会議では、まずカメラなどの映像機器及びマイクなどの音声機器からそれぞれのデータを取り込みます。次に、取り込んだ映像と音声のデータを相手に送るわけですが、会議室のような広い場所にいる参加者の顔まで分かるような画質の映像だと、データ容量が大きくなり相手に届くまでに時間がかかります。そのためデータを一旦圧縮してネットワーク回線にのせて送り、相手側のシステムで解凍しているのです。

少人数の会議ならばパソコンに外部機器を接続するだけで十分な場合もありますが、短時間で大幅な圧縮を実現するためには、専用の機械が必要になります。このような点が個人用のテレビ電話とは違う所です。テレビ会議を利用することで、緊急時に即打合せができ、海外などの遠く離れた地域とでも簡単にコミュニケーションが取れるようになります。また、遠隔地から会議などに出席する際の交通費、宿泊費の削減や移動に関する時間的ロスを防げるといった利点もあります。

相手側にも同じシステムがなければ成り立たないというデメリットはあるものの、ビデオ会議に使える機器は増えてきており、安価でそこそこの機能を持つ機種も登場してきているため、これからの普及が期待されています。